ちゃららのごくどう日記

土佐弁で、なまけ者とか、ぐうたらな人のことを「ごくどうもん」と言います。自由な土佐の山間から、田舎のおばちゃんが、あれこれ書いてみます。

藤沢周先生の本は、女性言葉で私を呼ぶ。

私は、読書が好きである。
と言っても、一般素人な田舎のおばちゃんなので、哲学書とか、難しそうな本はあまり読まない。主に小説。文学作品も読むし、エンタメ作品やラノベだって、自分が面白いと思えば何でも読むのだが、最近は老眼のせいで、目が疲れやすく、昔に比べると読書の時間が減ってしまった。
そんなわけで、気分転換も兼ねて、スマホ片手に、ちょっと、ポチっとしてみようと思う(パソコンが夕方からヘソを曲げてブリーズしてしまったせいでスマホ……泣き)。


さて。
作家の先生方には、大変申し訳ないのだが、私はよく、BOOKOFFで本を買う。
と言っても、大半が100円(税別)の値札を貼られた見切り品で、未読の話題作(だったもの)とか、読んだことのない有名作家の本などをいつも物色して購入している。
他に買うのは「なんか、気になる」本。
インスピレーション買いと勝手に名付けているのだが、作家の名前も、作品タイトルも知らないのに、なぜか惹かれる本を、私はたまに買ってしまうのである。
窪美澄の「ふがいない僕は空を見る」は、タイトルに惹かれて買った一冊だ。
映画化までされていたことを後日知ったのだが、購入時には、窪美澄の名前も知らなかった(すみません)。
東山彰良の「ラム&コーク」は、装丁が良かった。透ける素材の、フィルムのようなカヴァーが掛けられていて、明るい装画がこれまた魅力的。作品は、馳星周の小説をコメディーにしたら、こんなんできました!みたいな、笑えるヴァイオレンス小説で、スピード感のある文章もかなり良い。
「この作家、すっごい面白いのに、何で売れてないがやろ?」と思っていたら、直木賞を受賞した。
東山先生、おめでとうございます。

そんな感じで、BOOKOFFの100円コーナーは、行けば必ず覗くのだが、一度だけ、単なるインスピレーションとは呼べない感覚を味わったことがある。

それは、藤沢周先生の「ソロ」という小説の文庫本だった。
私はその頃、藤沢先生の名前は知っていたが、作品は読んだことがなかった。そして、その「ソロ」という本に目が止まった時、本が、私を呼んだのである。

「ねえねえ、私を買って!私を読んで!」

と。
しかも、女性言葉で……。

こんなことを書くと、「こいつ、頭がおかしいんじゃねーの?」とか言われそうだが、事実なんだから仕方がない。

結果、私は本に呼ばれるまま「ソロ」を手に取り、レジに向かったのである。


つづく……。