ゆのす、売ります。
みなさま、こんにちは。
柚子農家のちゃららです。
いやー、秋ですね。最近は、朝晩、涼しいを通り越して肌寒いくらいで、秋を感じるようになりましたね。当然、我が家で栽培している柚子も少しずつ色付き始め、ぼちぼちと忙しくなってまいりました。
さて。
いきなりですが、本題に入ります。
ゆのす、欲しい方には、販売いたします。
塩入りゆのす350ml入り、一本、450円、プラス送料(クロネコヤマト便にて発送します)です。支払いは、商品到着後に、口座振替でお願いします。
大量に使うから、沢山欲しいという方には、一升瓶でも販売いたします。一升瓶は、一本2000円、プラス送料です。
発送は、仕事の都合上、12月末、もしくは年明けになるかと思います。
私の本業は農家ですし、ゆのすの販売は専門外なのでクロネコさんと契約してませんから、送料が結構高く(地域差がありますが、だいたい千円前後)、代引き等もできません。なので、一本だけ欲しいという方には、少々割高になると思います。ネットやアンテナショップで、もっと安く手に入る柚子酢もあるかもしれませんし、高知に来る機会のある方は、道の駅や地場産品販売所なんかで売っているのを買われた方が安く購入できると思います。
上記の事情と条件で、それでもちゃららのゆのす購入を希望される方がおられましたら、ちゃららのTwitter DMにてご連絡をお願いいたします。確認しましたら、折り返し、DMを送らせていただきます。
ただし、繁忙期はスマホをチェックするのが遅くなりますので。確認の連絡も遅れるかもしれませんが(すみません)。
搾汁の都合等もありますので、11月末までにご連絡いただけましたら、確実にお送りできると思います。
本数や容量等、相談に応じます。
繁忙期の柚子農家は、ろくに新聞を読む暇もない忙しさで、そんな話もいつかブログに書きたいと思っていますが、今日はこのへんで。
みなさま、よいお年を(いや、さすがにそれは、早すぎかな 汗)。
神様のお祭り
私の住んでいる地域では、夏と秋の年二回、神祭(じんさい)という神社の祭事がある。
夏の神祭は一日だけで、神殿に祀りものをお供えし、神官さんが祝詞をあげ、氏子がお参りをしたあと宴会をするだけのシンプルなものだが、秋の神祭は、宵宮、本大祭、地主祭りと、三日をかけ、地区民総出で祭事を行う。宵宮では、神官さん(高知では、神官さんのことを太夫さんと呼びます)が神社で祝詞をあげ、翌日の本祭では、世話役が裃の衣装を着て、祭り道具を担いだ氏子が太鼓を打ち鳴らしながら、おなばれ(祭り行列のようなもの)をするという古式ゆかしいお祭りで、しかも、三日通して氏子が宴会をする、伝統の継承と呼ぶにふさわしい行事なのだが、お酒が弱いうちの主人は、さすがに堪えたのか、ついさっき「のうがわるい(土佐弁で、具合が悪いとか、気分が悪いという意味)」と言いながら、麦茶を飲んでいた。
つまり、今年も無事に、秋の神祭を執り行うことができたということで。
よかったよかった。
さて。
都会で暮らす方々は、神社の夏祭り、秋祭りと言うと、露店が並ぶ賑やかなお祭りを想像されるかもしれない。しかし、高知の田舎のお祭りは、押し寄せる過疎と高齢化の波にのまれて、昔のような賑わいは、残念ながら、なくなってしまった。
と、言っても、そもそも、田舎のお祭りは、都会のお祭りとは、まったく違っているので、詳細を書いても、理解できないかもしれない。しかも、酔っぱらって書いているので、わからない所は、後から質問してください。すみません。
そう。私が子供だった頃、神祭というと、各家々でご馳走を用意して、親類や友人知人、果てはその友人まで案内して、宴会をするという楽しい行事だった。
神祭の日に、神社に露店が並ぶことはなかったが、氏子の家はみんな宴会の用意をして、親類縁者を招いたのである。
氏子の家みんなだから、隣の家も、その隣の家も、そのまた隣の家も、神祭の日に宴会をするのだ。地区総出で、各々宴会。これが、楽しくないわけがない。
中学生だった頃、神祭の前の日には「明日はうちの神祭なので、来てください(つまり、夜の宴会に案内)」と、学校の先生にまで案内していた。もちろん、うちの地区で先生を案内するのは私の家だけではないから、案内された先生たちは、ハンドルキーパーを用意して、家庭訪問でもないのに生徒の自宅を次々訪問し、酔っぱらって懇親していくのだから、翌日の学校では「昨日、〇〇先生が酔うてねー」と、話題がつきなかった。
もちろん、案内する客人は、学校の先生だけではない。
父親の友人や、仕事先の関係者などさまざまで、案内した本人も、誰に案内したのかよく覚えてないなんてこともあったと思う。
隣のお客さんが、酔っぱらって家を間違えて来ることもあったし、お客さんが、酔った勢いで誘った人を連れてきたりしていて「あの人、誰?」なんてこともよくあった。
酔っぱらって、他人の靴を間違えて履いて帰る人が常にいて、そういうお客さん用に安物のサンダルを用意していたり、お客さんたちが帰った後で、廊下で泥酔して寝ている人毛布を掛けながら、「この人、誰?」と、母が呟いていたこともあった。
そして数日後、うちの神祭に来てくれたお客さんたちから、「明日はうちの神祭やき、来てよ」と、案内されて、父親はいそいそと出かけて行った。
神祭では、友達の友達は、みんな友達みたいな、お酒飲みの輪が広がって、色んな人と交流していたのだろう。手ぶらで行ってご馳走になるかわりに、うちの神祭にも、手ぶらで来てよってのが、暗黙の了解だった。
私が子供の頃は、今ほど仕出し屋もなく、どの家庭でも、自宅で皿鉢料理や自慢のご馳走を用意して、夜遅くまで訪れる客人をもてなしていたから、神祭は一大イベントで、母は大変だったらしい。
しかし……。
そんな神祭の宴会も、私が二十を過ぎた頃から徐々になくなってしまった。なくなった理由は、一言では説明できないが、たぶん、過疎と高齢化に伴い、宴会を主催する側がしんどくなってきたのが、一番の理由だろう。
今でも宴会しているのは、うちの地域くらいかもしれない。
高知で宴会のことを「おきゃく」と言うのは、この、客人をもてなすのが宴会と言うところからきているのかもしれないと思いつつ、今夜も酔っ払い……。
ビニールハウスの憂鬱
みなさま、こんにちは。
台風で仕事ができんので、ブログの更新でもしようかな〜と思い立ち、タブレット片手におやつを食べているちゃららです。
そうながですよ。台風20号が、思いっきり高知に向かって北上しゆうがです。現在午後の3時過ぎですが、風も強まってきたし、予報じゃこれから大雨も降るとか言うし……。主人や子供達(台風で子供達も仕事が休みになった)と自宅待機でテレビを見よったがですけど、風でビニールハウスが壊れなきゃいいがなぁ……と、若干心配しています。
なんせ、ビニールハウスには、まだ収穫してない柚子がたくさん残っちゅうんですよ。ハウスが壊れたらめっちゃ困る〜。
そうなんです。
我が家では、ビニールハウスで柚子を栽培しているんです。
ビニールハウスと言うと、気温が低い冬場に夏の作物を栽培する施設というイメージがあるのでしょうか。ビニールハウスで柚子を栽培していると伝えると、キョトンとした表情で、
「えっ?柚子って、冬の作物でしょう?なのに、ビニールハウス?」
と訊かれることが多いです。でも、徳島のすだちなんかもビニールハウスで栽培しているそうですから、それほどめずらしい話ではないのですけど……。
ハウス柚子の出荷は、主に青玉柚子です。
12月の終わり頃にビニールを張り、徐々に加温します(我が家の場合です)。花が咲くのは2月頃。柚子の花が満開になると、ビニールハウスの中は花の香りが立ち込めて、蜜が肌にまとわりつくような感じすらしてきます。実が収穫できる大きさになるのは6月初め。露地柚子の花が咲き始めるのが5月頃なので、露地柚子より早く収穫できるし、市場価格も露地柚子より高いという利点があります。
ただし、リスクももちろんあります。
台風銀座と言われる高知の場合、今回のような台風被害に合って、ビニールハウスが壊れることもしばしばで、我が家でも過去に4回ほど、ハウスが壊れて大損害ってことがありました。他にも、原油価格の高騰に伴い、加温用重油やビニールの価格も上がりましたし 施設のメンテナンス費用なんかもばかにはならない。市場価格が多少高くても、大して利益が上がらない年もあったりします。
つまり、賭けなんですよ、農業は。
法律で禁止されてないだけで、その経営スタイルはギャンブルなんです。
大きく当てて、遊んで暮らせたらいいのですが、なかなか、そう簡単にはいきません。貧乏暇なしってことなんでしょうね(笑)。
さて。
ビニールハウスで柚子を収穫していると、色んな生き物に遭遇します。
たとえば、カエルちゃん。これは、わりとじっとしていて見た目も可愛い。先日も目が合ったので、スマホでパシャリ。
なんだか笑っているようにも見えます。
他にも、アゲハ蝶やトンボ、蝉やトカゲ等など、挙げるときりがないのですが、大抵は、可愛い生き物達で、仕事中に写真に撮ったり、癒やされたりしています。
でもね、たまに、可愛くないアイツが出るんですよ。
ニュル〜とした、アイツ……。
そう!蛇(ギャァー 汗)。
アイツは、ホント可愛くないっっ!柚子を収穫しようとして実に手を伸ばしたら、その先の枝に巻き付いていたりする時があるんですっ!まあ、枝に巻き付いているのはシマヘビとかアオダイショウがほとんどで、噛み付いたりはしませんし、こっちが悲鳴を上げている間にどこかに逃げてくれるんですが、ビックリするし、鳥肌立つし、もう、やめて〜って感じです。
そして、さらにやめて〜なのが、マムシ……。
これは、マジで困ります。
マムシのことを、土佐弁では「ハミ」と言うのですが、毒があるんですよ!(そんなん、みんな知ってますよね)
シマヘビやアオダイショウのように、木に登って巻き付いていたりはしませんが、木の根本や石積みの隙間とかでグルグルとぐろを巻いていて、ビニールハウスにも、たまに出没するんです(ギャァーッ)!独特の模様と、ズングリした体型で(頭が小さく、丈は短い)、他の蛇に比べて若干動きは鈍い感じですが、何しろ毒蛇ですから、噛まれちゃ大変と言うわけで、コイツだけは、見つけたら退治しなけりゃいけない。
こんな時、主人の存在がとてもありがたく、頼もしく思えるんですね。
「おとーさん、ハミっ、ハミがおるーっ!はよー来て!やっつけてー!」
と、お願いしたら、主人が棒っ切れでバシバシ叩いて退治してくれるんですから、この時ばかりは、ケヴィン・コスナーにも負けてないマイ・ボディーガード!
マムシは、他の蛇と違い、棒などで頭をバシッと叩けば、わりと簡単に仕留める事ができるのですが、なんせ、気持ち悪いし、怖いし、私のような素人は手元が狂って、上手く仕留めることができなかったりするんです。
だから、なるべくなら、主人のいない時に、マムシに遭遇したくはない……。
が……。
はい。過去に、2回だけ、主人のいない時に遭遇しました。
もうね、泣きながら、棒を振り回し、退治し終わった時には、冷や汗と鳥肌で、しかも、仕留めたマムシを放置しておくわけにもいかず、仕留めた後も身の毛のよだつ……。
後は、ご想像におまかせします。
あぁ、ダーリン、マムシが出そうな場所では、いつもそばにいてね〜。
とても都合よく、主人にお願いする私なのでした。
主人はご機嫌ななめ
先日、買い物から帰って来た時のことである。
リビングのパソコンでYouTubeを見ていた主人が、私のほうを振り返りもせず、背中越しに
「お前に、ちっと、金をもらわんといかん」
と、とても不満げに呟いた。
えっ?なんのこと?ネットで、また、何か買いたいものでも見つけたがぁ?
一瞬、そう思ったのだが、それにしては、どうも態度がおかしい。主人の横顔を盗み見ても、いつもと様子がなんとなく違うし、私に背中を向けたまま、わざとむすっとしている……ように思える。
『まるで、怒っちゅうみたいな態度やん。私、なんか怒らせるようなことしたかな?』
訳が分からず、黙って様子をうかがっていると、やがて、主人が口を尖らせて
「出演料や! ったく、俺の知らんところで、俺のことを勝手にブログに書きやがって!」
と、不満を口にした。
あらら、読んじゃったのね(笑)。なーんだ。そんなことか。
誤解のないよう断っておくが、私は、ブログを書いていることを、主人に秘密にしていたわけではない。読まれて困るようなことも書いていないし、むしろ、主人にも読ませたいと密かに思っていたくらいだ。なので、主人がブログを読んだのなら、好都合。「上手に書けちゅうろ?」と笑って答えて、丸く収まると思っていた。
が……。
なぜか主人は、私の意に反して「嘘を書いたらいかんろが!」と、文句を言うではないか。
はぁ?
「えーっ、嘘なんて書いてないやん!」
思わず、そう反論すると、主人は、
と、少々ご機嫌ななめな様子。いやいや、アナタね、誰がどう見ても、人相悪いです。そろそろ、自覚しましょうね。
「でも、読んだ人から、素敵なご主人さんですねとか、コメントも貰ったで」
主人の怒りなんぞどこ吹く風とばかりに笑って受け流すと、
「どこが上手に書けちゅうな、いかん、いかん!こんなん、書き直せ!」
と、声を荒げて答える主人。
「なんで?怒ちゅうが?」
そう訊くと、間髪入れず、
「ふんっ!この程度のことで怒りよったら、お前の旦那はつとまらん!」
と、主人がしれっと答えた。
口では怒っているが、顔が笑っているようなので、どうやら、問題はないだろう(笑)。まったく、面倒くさいヤツである。
さて。
そんな主人から、ブログの内容について、二か所ほど「ダメだし」が入った。ブログを書くのはいいが、どうしても補足説明して欲しいと言ってきかないのだ。
一つ目は、おんちゃん達の鰻バーベキューについて。
そもそも、鰻バーベキューは、おんちゃん達が、自分達だけの楽しみでやっているわけではない、と主人は言うのである。
地域のお年寄りや、日ごろお世話になっている人達にも鰻を食べてもらおうという趣旨のもと始めたことで、そこをちゃんと書いてもらわないと誤解を招くのだ、と。
主人曰く、田舎に溢れる豊かな自然は、そこに住む地域の人々、みんなのものだ。山も、川も、地域の人みんなで守っているし、みんなの支えがあるからこそ自然の恵みを得ることができる。しかし、独り暮らしの高齢者や、川漁が苦手な人は、どうだろう?同じ地域の仲間であるにもかかわらず、鰻や鮎を捕まえに行くことはできない。ならば、おんちゃん達が鰻や鮎を捕まえて、みんなに食べさせてやろうじゃないか。みんなと自然の恵みを分け合うことが、そこに住む者としての務めというものだ。と、文章にすると少々大げさな感じもするが、だいたいそんなことらしい。
確かに、先の鰻バーベキューには、地域のお年寄りや、新規就農したご夫婦に、日ごろお世話になっている役場や土木関係者などなど、多数招待されていて、大宴会だった。
それに、おんちゃん達はたまに「猟游会」という名前でボランティア活動などもしている。地域のイベントで、猪汁を作ってふるまったり、夏祭りで鹿肉を焼いて販売し、売り上げを社会福祉協議会に寄付したりもしている。しかし、そんな社会貢献活動でさえワイワイ言いながら楽しそうにやっているから、はた目には、遊んでいるみたいに見えるのだな。
「お前のブログやと、俺らが自分らの楽しみのためだけに、山や川で、放蕩の限りを尽くしゆうみたいに思えるやろ。けんど、俺らは、そうじゃない」
と、主人は言った。おんちゃん達は、自然の恵みを独り占めするような無粋なことはしない。恩恵は、みんなで分けあってこそ、初めてありがたいと言えるのだ。
さすがは、土佐のいごっそう!信念を貫く、高知のおんちゃん達なのであった。
で、もう一か所のダメ出しである。
「あと一つは、何?」
私が訊くと、主人はニヤリと笑って、
「捕まえた鰻が、全部で百匹やったことを、ちゃんと書いちょけ」
と、言った。
「えーっ、ほんまに百匹もおったがぁ?」
「おったよ!ほんまやき」
「なんか、あやしい。ていうか、その情報いる?」
「何を言うか!そこが一番大事なところやないか!ちゃんと書けェよ!」
そうなのだ。うちの主人は、言い出したらきかない。
「あー、はいはい、わかりました」
「はいは一回でえい!」
あー、はいはい。
面倒くさいヤツである。
ゆのすを使って、田舎のちらし寿司を作ってみよう!
皆さん、こんにちは! 自称、土佐の田舎料理研究家のちゃららでーす。
そして、私の拙いブログをいつも読んでいただきまして、本当にありがとうございます。皆さん、夏バテとかしてませんか?
それにしても、毎日、本当に暑いですねぇ。今日も朝からいい天気で、外に出ただけで汗だくになるような気温です。お日様が、もうちっと遠慮してくれたらいいがですけど、うまいこといきません。
ところで。
最近、「朝から顔色が悪いで!」と主人から言われるくらいの白塗りで仕事に出掛けゆうがですが、昼前には、日焼け止めも毛穴の汚れもお肌の潤いも何もかも、全てが汗で流されて、どこに何を塗ったのかすら、思い出せない毎日です。この調子やと、夏が終わるころには、ガングロギャルとしてデビューできるかもしれません。今のうちに、厚底サンダルとミニスカートも買うちょこうかなぁ。あっ、でも、パラパラの振り付けをよう覚えんき、やっぱ、無理かなぁと、ちょっと心配しています。
そもそも、高知は暑いところながですよ。なので高知県民は、他県の皆さんに比べたら、暑さに対する耐性はできちゅうほうやと思います。けんどね、こんな暑い日が毎日続いたら、さすがの高知県民でも身体はだるくなるし、食欲やって減退します……。もう、泡の出る流動食以外は食べたくない!って、つい言い出しそうになるがですね。
あっ、もちろん、私の場合、ですけども(笑)。
でもねぇ、夏場を乗り切る定番スタミナ料理の鰻もお肉も、この前バーベキューで食べたがですよ。もうなんか、こってりしたものより、もっと、あっさりしたものが食べたいっ!
たとえば、「ゆのす」が効いたさっぱりしたものとか……。
と、いうわけで、今回は「ゆのす」が効いた田舎のちらし寿司を皆さんに紹介したいと思います。
なんたって「ゆのす」には、美肌効果やリラックス効果、コレステロール値を下げる効果の他に、疲労回復効果もあるらしいし、他にも殺菌作用、食中毒予防効果もあるがですよ。夏場にはぴったりですよね。おほほほほ。
さて。
私が住みゆう高知県東部でお寿司と言うたら、いわゆるお酢(穀物酢)はあんまり使いません。皿鉢料理に乗っちゅうサバの姿寿司のサバも「ゆのす」でシメてお寿司にします。
私の得意料理、鮎の姿寿司の鮎も、当然ですが「ゆのす」でシメて、酢飯にも「ゆのす」を効かせて作ります。
ちなみに、鮎の姿寿司は、こんな感じです!皆さん、よだれ、出ましたか?
(すみません。わたくし、しれっと自慢しております)
この、鮎の姿寿司も、合わせ酢の配合は「ゆのす」を効かせた他のお寿司と同じ、基本の配合で作るがです。そして、基本の配合で混ぜ合わせた酢飯に、砂糖と醤油で煮た具を混ぜこんだのが、田舎のちらし寿司になるがですね。
それでは、作り方を説明していきます。
ーー材料ーー
米3合
(合わせ酢)
ゆのす(塩入り) 大さじ5
砂糖 大さじ4
塩 小さじ1弱
うま味調味料 小さじ2分の1
(具)
サバの切り身 半身の半分
油揚げ 小一枚
人参 50グラムくらい
椎茸 4、5枚
こんにゃく 40グラムくらい
生姜 ひとかけ(30~40グラム)
いりごま 大さじ2
(仕上げ)
錦糸卵 適当に
すまき 一本
さやいんげん なかったき、キュウリで代用
紅ショウガ ピッピ
① まず、お米を洗って炊飯器にセットしたら、いつものご飯を炊くのと同じ要領で炊きます。寿司飯は、水分量を少なめに炊く人もいますが、私は普通に炊いたほうが好きなので、いつもと同じ水加減で炊きます。まぁ、これは好みの問題ですね。
② お米が炊き上がるまでの間に、具材を煮ます。
油揚げ、人参、椎茸、こんにゃくを
こんな感じで大きさをそろえて刻んだら、砂糖とうす口しょう油と出汁で、10~15分程、弱火で煮ます。今回は、出汁100CCに、砂糖大さじ1、うす口しょうゆ大さじ2弱くらいで味付けしましたが、こんなんは、皆さんのお好みで適当に味付けしてください(笑)。具も、春ならタケノコやエンドウ豆、他にもヒジキやゴボウやレンコンなどなど、ちらし寿司に合いそうな具材なら何でもオッケーです。
③ サバを焼きます。焼きあがったら、骨と皮を取り除いて、身をフレーク状にほぐします。
④ 生姜をみじん切りにします。そして、合わせ酢の材料(ゆのす、砂糖、塩、うま味調味料)をボールに入れ、③でほぐしたサバとみじん切りにした生姜を入れてよく混ぜます。
⑤ ②の具材をざるにあげ、煮汁を切ります。
さあ、このあたりで、ご飯が炊き上がって、いい感じに蒸らし終わっちゅうがです。いよいよ仕上げでーす。
⑥ 炊き上がったご飯を、寿司桶や大き目のボールなどに移し、④を回しかけ、いりごまを加えたら、しゃもじで素早く、切るように混ぜます。そして、合わせ酢がだいたい馴染んだところで⑤の具を入れ、 今度はさっくりと混ぜ合わせます。
⑦ ⑥を器に盛りつけたら、仕上げ用の錦糸卵やすまき(ナルトの親戚みたいなやつ)なんかを飾り付けて完成!
ヤッター!美味しそ―♡
高知ではそうめんも、このちらし寿司のように、錦糸卵や煮つけた油揚げ、椎茸でデコレーションするがです。
大皿に盛りつけて、みんなでシェアして食べるのが一般的です。そして、そうめんの上に、青い柚子の皮と、生姜をすりおろして食べたら、もう、めっちゃ美味しい!
あっ、冷ややっこにも、青い柚子と生姜のすりおろしが合うなぁ。
青い柚子、スライスして焼酎に入れても美味しいよね。あとは、焼いた鮎にはゆのすが美味しいがって、これが!
みんなあ、柚子、食べてみたくなったやろ。
うっしっし……。
さあ、暑いこの時期、さっぱりとした柚子料理、あなたも試してみませんか?
綺麗な柚子には棘がある
柚子農家の繁忙期は、紅葉よりも早く始まる。
柚子の実が黄色く色付き始めるのは、だいたい、10月の初め頃から。日当りの差や、樹勢の差なのだろうか。根っこは同じ一本の木なのに、実ごとに色付き具合が全く違っていて、枝の上で揺れる実は真っ青いのに、葉陰に隠れた実は、程よく色付いていたりするから不思議だ。
これは香酸柑橘類の特徴らしく、日当たりが良すぎると、実が色付くのも遅くなる。柚子の実は、スダチやカボスと同じように初めは青い。スダチやカボスも、熟すと黄色くなるのだが、意外と知らない人も多くて、去年、柚子の取材でうちに来た新聞記者さんも、「青い柚子があるんですか?これって、品種が違うんですか?」てなことを訊いてきた。
みんな、意外と柚子のことを知らんがやね。
と、言うわけで、今回は柚子の話です。
我が家は柚子の専業農家である。
収穫は一個ずつ手摘みで。千本ほどある全ての木から収穫し終わるのは12月半ば頃だろうか。
と、ここで断っておくが、農業は自営業である。栽培方法や栽培面積、収穫の仕方などは農家によって全く違う。これは、あくまでも、うちの場合の話なので、誤解のないようお願いしたい。
さて。
うちの場合、収穫作業を子供たちや親戚が手伝いに来てくれる日もあるが、常時雇っている人はいない。繁忙期の2か月間、私は主人と二人、毎日仲良く、柚子の収穫をするのだな。
「夫婦で収穫、仲がいいねー」
と、誰かに言われたら、
「だって、喧嘩したら仕事がやりにくいやろ。それに、吊り橋効果的なもんやと思うがやけど、柚子がいっぱい入ったコンテナを持ってくれたりしたら、なんか、頼もしいヤツに思えてくるがって」
と、白々しく嘯いてやろうと密かに練習しているのだが、残念なことに誰からもそんなことを言われない。たぶん、田舎で農業をする夫婦はみんな、傍目には仲良さそうに見えるのだろう。
確かに、先輩農業女子のSさんご夫婦も、とっても仲良さそうに見える。
みんな、それなりに、たまには喧嘩もするだろうし、腹の立つ日もあるはずだ。まっ、そんな話はまたの機会に。
ところで、皆さんは、柚子農家が栽培する柚子に、青果用と搾汁用のふた通りがあるのをご存じだろうか?
青果出荷というのは、柚子をそのまま流通に乗せる出荷方法のことだ。10個前後の柚子を化粧箱に詰め、築地や大田などあちこちの市場へと送り、競りで高値が付くのを期待するのが青果用柚子。キズが少なく綺麗な実を選別して出荷するのだが、この選別作業が結構大変だったりする。
で、選別の過程ではじかれた、キズが付いていたり、実が大き過ぎたり、小さかったりという、規格外品が、搾汁用の柚子になる。キロ単価は平均で青果用柚子の10分の1~2程と安く、うちで収穫する柚子の八割は、この、搾汁用柚子だ。何しろ、柚子は、傷がつきやすい。だから、JAに出荷したら、その日のうちに加工場で搾られて、あ~ら不思議、JA印の柚子100%ジュースに変身するのだ。まあ、びっくり。やがて、この柚子の果汁は、JA経由で大手食品メーカーにお嫁に行ったりするから、育ての親はさらにびっくり。
高知では、この柚子100%ジュースに防腐剤代わりの塩を10%ほど加えたものを、柚子酢、土佐弁で「ゆのす」と言い、だいたいどこの家庭も一升瓶入りの柚子酢をストックしている。そして年間を通して、これを料理に使うのが高知の田舎では一般的。
つまり、高知では、柚子と言えば、この「ゆのす」を指すことが多い。
そして「ゆのす」は醤油と同じ、調味料のひとつなのである。
高知の田舎では、昔から、ガラス製の醤油差しに入った「ゆのす」が食卓の隅に並んでいた。私も、焼き魚やちりめんじゃこ、焼きナスにも「ゆのす」をかけて食べるし、インスタントラーメンや、味噌汁にだってポチポチっと「ゆのす」を垂らして食べている。
そして、これが、うまいのだよ!
柚子サイコー!声を大にして叫びたいと、私はいつも思っている。
しかし、そんな、高知県民にとって欠かせない柚子が、他県の方にとっては、それほどでもないらしいと知った時には、正直、驚いた。
えっ?柚子の食べ方、知らんが?なんて、もったいない……。こんなに美味しいのに、これを味わえんなんて、みんな損しちゅう!
だいたい、他県の皆さんが柚子を買うのは、せいぜいで年に数回だろう。冬至頃に「お鍋に入れてみるのもいいかな」と、イベント的ノリで購入したものの、最後まで使いきれずに無駄にしてしまった、なんて話もたまに聞くし、柚子酢に至っては、「買ったことない」「そんなんあるの?」って感じかもしれない。
柚子農家としては、そこがちょっと、いや、かなり、残念なところだ。
確かに、最近は柚子ポン酢や、柚子風味のお菓子なども沢山出回っているし、柚子を使った料理を提供しているレストランなども昔に比べて増えてきたから、柚子を一度も食べたことがないって人は、さすがにいないかもしれない。しかし、キャベツやレタスのように年中出回っている野菜ではないし、一番安く手に入る冬至の頃でも、スーパーで三個百円くらいはするのだから、決して安くもない。柚子酢にしてもアンテナショップなどで売られてはいるのだが、全国どこでも手に入るというようなお手軽さも、お手頃さも、きっとない。
他県の方にとって、お米はないと困る食材だが、柚子は、なくても困らない食材で、使い慣れていない食材なのだな。たぶん、きっと……。
柚子は高知を代表する特産品のひとつ。その生産量は高知県がぶっちぎりで日本一。そして、その高知の中でも、私が住んでいる地域は柚子の栽培が盛んな土地だ。
なので、迷惑承知で言わせてもいらいます。
他県のみんな、高知柚子、マジサイコー、柚子を食べなきゃもったいないき!
……と、少々前置きが長くなった。しかも支離滅裂な感じがするが、まあ、いいか。
ぼちぼち本題に入ろう。
今回は、柚子の木に鋭い棘があるということを皆さんに伝えたくって、ブログを書き始めたのだが、冒頭から脱線してしまった。すみません。
ここまで読んでいただいたなら、当初の目的は70%くらい達成しているような気がするので、あと少しだけ、お付き合い願います。
この、柚子の棘は、バラの花のような可愛らしい棘とは違い、まるで、布団針のような形をしていて、長いものは5センチ強。枝や幹からまんべんなく生えていて……と、私の拙い文章で説明するより、写真を見てもらったほうがわかりやすいだろう。
おんちゃん達の山遊び
前回に引き続き、おんちゃん達の話をもうちょっとしたいと思う。
私の周りのおんちゃん達は、冬場になると山遊びに興じる。
もちろん、お弁当を持って、お山でハイキング……ではない。鉄砲(猟銃のことを、おんちゃん達は、鉄砲と言います)を担ぎ、猟友会のオレンジ色のベストを着け、猟犬を引き連れて、一日中、猪や鹿を追いかけ回す「狩猟」という遊びに熱中するのだ。
狩猟解禁日には仕事なんかしていられない。早朝に集合して、みんなで山へ分け入り、猪や鹿の足跡を慎重に探し、作戦を立て、それぞれが獲物の出そうなポジションに着き、GPSと無線機能がついた首輪を嵌めた猟犬を山に放つ。そして、おんちゃん達は無線機(トランシーバー)と、タブレットやスマホを片手に雑談しながら、獲物の出現を待つのである。
やがて、猪を見つけた犬が吠えはじめ、犬の首輪に付いている無線から、トランシーバーに「ワンワン!……ブヒッ!」という鳴き声が入いったら、おんちゃん達のテンションは急上昇。
「おいっ、猪がおったぞ」
「どこな?」
60歳を過ぎたおんちゃん猟師が、タブレットを使いこなし、GPSで素早く場所を確認するから、ある意味凄い。
「おーい、そっちに行くぞ」
そして、連絡は、トランシーバー。
「よっしゃ、了解」
「行ったぞ、撃てぇ!」
ズドーンッ!(猟銃の発射音)
「やったか?」
「あーっ、いかーん。すまん、当たらんかった」
「おおのっ!へったくそやにゃぁ!おんしゃ、鉄砲の先が曲がっちゅうろが(笑)」
「あーっはは」
「そっちに逃げたで」
「よっしゃ、まかいちょけ」
と、スラスラ書いたが、これはあくまで、私の想像である。何しろ、私は狩猟現場に同行したことなどないから、この目で見た訳ではない。でも、まあ、おんちゃん達の話からイメージするに、だいたいこんな感じだろう。
当然、その日の終わりに、みんなで酒宴を催すのは高知県民のお約束で、獲物を仕留めたおんちゃんは、唾を散らして、今日の活躍を自慢するのだ。楽しい一日は、楽しいお酒で締めくくるのがおんちゃん達のいいところ。
高知県東部では、この遊びを「追い山」と言うのだった。
ここまで読んで、自然相手のアクティビティーはいいよねー、お金もかからないしー、などとのんびり思われるかも知れない。しかし、それは、大きな勘違いで、実はこの遊び、意外とお金がかかるのだ。
まず、猟銃が安くても15万円くらいはするし、銃砲所持許可申請とか講習とか色々含めると、猟銃を所持するまでに30万円近くかかる。さらに、狩猟免許や狩猟者登録にかかる狩猟税とか、毎年3~4万円くらいの更新費用が必要で、銃に取り付ける照準器(スコープ?)や装弾(銃の玉)の代金、GPS付きの猟犬用首輪など、色んな小道具の代金なども合わせると、結構な金額になる。新しい、性能の良い銃が欲しいだなんて言おうものなら、夫婦喧嘩のタネになるところだ。幸い、今のところ主人はそんなことを言わない。だって、すでに二本目の銃を買っている。これ以上欲しいだなんて、当分は言わないだろう。
それはさておき。
そんな山遊びが大好きなおんちゃん達。なんと、最近は、みんなで県外遠征に出掛けるようになった。遠征を始めた細かな経緯は知らないが、
「おい、知っちゅうか?瀬戸内の何とかいう島に、ざまな太っとい猪が、どっさりおる言うぞ」
「ほんまか?そりゃ、いっぺん行ってみにゃぁいかんなぁ」
とまあ、だいだいこんなとこだろう。
その瀬戸内の何とかという島で空き家を一軒、年契約で借り(家賃は電気代込みで月一万円らしい)、猟期になると、軽トラックの荷台に猟犬を乗せ、夜の高速道路を走り、朝イチのフェーリーで島に渡る。そして、二~三日、泊りがけで狩猟をして帰ってくるという追い山ツアーを、年に4~5回はやるのだから、頭がおかしいとしか言いようがない。
例えば、捕まえた猪の肉を精肉店に卸しているとか、商売にしているのなら、わからなくもない。人から頼まれて、肉を売ったりするおんちゃんも何人かはいるし、商売ならば、県外遠征もありだろう。しかし、高知のおんちゃん連中は、遊びなのだ。 あ・そ・び!
県外で狩猟をするには、その都道府県ごとに狩猟者登録をする必要がある(もちろん、登録費用がかかります)。他にも、ツアー中の猟犬の餌だとか、水だとか、布団だとか、道具だとか、用意する物を考えただけでもうんざりするのに、おんちゃん連中はそんな手間などもろともしない。
遊ぶことへの情熱。もう、この一言に尽きるのだな。
もちろん、うちの主人も、数年前からこのツアーに参加している。当然だが、遊んでいる間、仕事は私に押し付けて「ちょっと、行ってくるき」なのだ。きっと、自分だけ遊んでいるという良心の呵責に耐え切れなかったのだろう。
「島にはね、温泉もあるがって。のんびりできるえい所やき、お母さん(私のこと)も、いっぺん連れて行っちゃおか?」
なんてことを言ってくれた。
いや、主人には悪いが、そんなツアーは結構です。
お留守番で、私は満足。